「死ぬ前に、何をしておくべきだろう──」
ふと、そんな思いが頭をよぎったことはありませんか?
人生の最期を意識するのは、怖いことでもあり、寂しいことでもあります。
しかし、それは「人生を見つめ直し、今をどう生きるか」を考えるきっかけでもあります。
このページでは、「死ぬ前にしておきたいこと」を10個のリストにまとめ、
終活や人生の整理、家族への想いの伝え方まで、わかりやすくご紹介します。
「家族に迷惑をかけたくない」「自分の意志をきちんと残しておきたい」
そんな想いを持つ方に向けて、今すぐ始められる準備や心構えを丁寧に解説しています。
悔いのない人生のために、そして、いつか訪れる“その時”のために。
今日から一歩、踏み出してみませんか?
豊富な実績を持つ遺品整理の専門店「株式会社ココロセイリ」の代表取締役社長
目次
「死ぬ前にすること」って何?なぜ今、考えるべきなのか
「死ぬ前にすること」という言葉を目にして、あなたはどんなことを思い浮かべたでしょうか。旅行ややり残した夢を叶えること、人との和解や感謝を伝えること、そして、家族の負担を減らすための終活かもしれません。
この記事では、人生の最期に後悔しないための準備として「死ぬ前にすること」をご紹介します。「まだ先の話」と思っていても、突然その日がやってくることも。だからこそ、いま考える価値があるのです。
終活とは?“人生の終わり”を準備する活動
終活とは、人生の終わりに向けて、自分の身の回りや気持ちの整理をする活動のことを指します。
具体的には、財産の整理、遺言書やエンディングノートの作成、介護や葬儀の希望を伝えるなどが含まれます。
終活をする目的は、ただ「死に向けた準備」ではなく、人生をより前向きに生きるための「未来への整え」です。自分が亡くなった後、家族が困らないようにしておくことも、大きな愛情の一つと言えるでしょう。
死を意識するタイミングは人それぞれ
「死ぬ前にすること」を考えるタイミングは、人によって異なります。
親の介護や葬儀を経験したとき、自分や家族が病気になったとき、あるいは定年退職や子育ての一区切りを迎えたとき――ふとした瞬間に「自分の人生の終わり」に想いを巡らせることがあります。
大切なのは、「いつかやろう」と先延ばしにせず、気づいたその時に小さな一歩を踏み出すこと。人生の質を高めるためにも、「死を意識すること」は、実は「どう生きたいかを考えること」と同じなのです。
準備しておくことの4つのメリット
「死ぬ前にやること」と聞くと、どこか重たく感じるかもしれません。
しかし、事前に準備を進めることで、人生の終わりに向けての不安が軽くなり、より安心して今を生きることができます。
ここでは、「死ぬ前にやること」を進めることで得られる4つのメリットをご紹介します。
家族のためにも、自分のためにも、今から備える意義を感じてみてください。
家族の負担軽減
自分が亡くなったあと、家族は多くの手続きをこなさなければなりません。
財産の整理、相続、葬儀の手配、各種契約の解約など、精神的にも時間的にも負担がかかります。
もし、あらかじめ情報が整理され、希望が明確に残されていれば、家族は迷わずに対応できます。
残された人たちが「これで良かったのだろうか」と悩む時間を減らし、穏やかに送り出す準備ができるのです。
相続・財産トラブル防止
相続に関するトラブルは、親族間の関係に大きな影響を与えることがあります。
財産が多くても少なくても、遺言書や財産目録を残しておかなければ、思わぬもめごとにつながりかねません。
自分の意志をしっかりと文書にしておくことで、家族が納得しやすくなり、不要な争いを避けることができます。
「自分の死後も、家族が仲良く過ごしてほしい」――そんな想いをカタチにするのが、事前の準備なのです。
後悔のない人生
終活や生前整理を通じて、これまでの人生を振り返ることができます。
何を大切にしてきたのか、何がまだできていないのかを見つめ直すことで、「これからやりたいこと」が見えてくるかもしれません。
「死ぬ前にしておけばよかった」と後悔しないために、今できることに取り組む。
それは、残りの人生をより充実させる第一歩になります。
自分の「意思」を残せる
医療・介護・葬儀・お墓などに対する希望は、元気なうちにこそ伝えるべきです。
自分の想いが明確に残されていないと、家族は「本当にこれでよかったのか」と不安を抱えることになります。
エンディングノートや遺言書を通じて、「自分らしい最後」を形に残すことで、本人も家族も安心できます。
命の終わりに向き合うことは、「自分らしい生き方を選ぶ」ということでもあるのです。
死ぬ前にやることリスト10選|人生を整理する準備とは?
「終活」と聞くと、何から手をつけていいかわからない方も多いのではないでしょうか。
実際には、身の回りのこと、家族への想い、財産や医療のことなど、多岐にわたります。
ここでは、「死ぬ前にやること」として多くの人が取り組んでいる10の項目を紹介します。
ひとつずつ着実に進めていくことで、不安が軽減され、自分の人生にも納得感が生まれるはずです。
1.財産の整理・棚卸(+財産目録の作成)
通帳、不動産、株、保険、借入金など、自分が持っている財産をすべて洗い出しましょう。
整理が進むことで、自分自身の経済状況がクリアになるだけでなく、遺された家族がスムーズに相続手続きを行えます。
できれば「財産目録」という形で一覧化し、通帳番号や保険証券番号もまとめておくと安心です。
家族にとって非常に助かる“見える化”です。
2.遺言書の作成
自分の死後、財産をどう分けるかを明確に記すのが「遺言書」です。
遺言書があるかないかで、相続手続きの負担や親族間の関係性に大きな差が生まれます。
法的効力を持たせたい場合は「公正証書遺言」がおすすめ。
「うちには揉めるほどの財産なんて…」と思っていても、遺言がないことで生じる小さなトラブルは意外と多いのです。
3.エンディングノートの作成
エンディングノートとは、法律的な効力はないものの、
自分の想いや希望、連絡先、葬儀・介護に関する希望などを自由に書き残せるノートです。
「ありがとうを伝えたい人」「延命治療の希望」「ペットのこと」など、形式に縛られず、あなたらしい言葉で記録できます。
家族へのメッセージとしても大きな意味を持つ、心温まる準備のひとつです。
4.デジタル遺品・個人情報の整理
近年では、スマホ・SNS・ネットバンク・サブスク・クラウドなど、デジタル上にさまざまな資産や契約が存在します。
これらは「デジタル遺品」と呼ばれ、放置しておくと不正アクセスや解約の困難につながります。
ID・パスワードの管理や、必要に応じてアカウントの削除方法を記録しておくことも重要です。
エンディングノートや専用の管理アプリを使うのも一つの方法です。
5.不用品・家財・思い出の品の生前整理
生前整理は、物理的な整理だけでなく、心の整理にもつながります。
「使わなくなったもの」「思い出が詰まったもの」などを、自分の手で取捨選択できる貴重な機会です。
特に大きな家具や大量の衣類などは、年齢を重ねると整理が大変になるため、元気なうちの着手がおすすめです。
思い出の写真や手紙などは、デジタル化して保管する人も増えています。
6.医療・介護の希望の意思表示
自分が将来的に入院や介護が必要になったとき、「どのような治療を望むか」「どこでどんな介護を受けたいか」などの希望をあらかじめ伝えておくことはとても重要です。
特に、延命治療の可否や認知症になった場合の対応など、本人の意思が確認できない状況になる可能性も考慮しておく必要があります。
家族にとっても「本人の意志に沿って決められる」という安心材料になります。
エンディングノートに記載したり、事前指示書(リビング・ウィル)を作成したりすることで、自分の意思を残しましょう。
7.葬儀・お墓・供養方法の希望を決める
「どんな葬儀をしてほしいか」「どんな宗教・宗派で行いたいか」「どのお墓に入りたいか」など、最期のセレモニーについても自分の考えを整理しておくことが大切です。
葬儀社の指定、予算、音楽や遺影の希望、誰に来てほしいか――そうした細かなことでも、家族にとっては大きな手がかりになります。
近年は「家族葬」や「自然葬」など、選択肢も多様化しており、本人の価値観を反映しやすくなっています。
8.親しい人の連絡リストを作る
自分が亡くなった際、家族が誰に連絡をすればいいか分からない、というケースは意外と多いものです。
特に、会社関係、旧友、趣味仲間など、家族が知らない人とのつながりは事前にまとめておくと安心です。
名前・連絡先・関係性を簡単に記録しておくだけでも、残された家族の心の負担が軽くなります。
メールやLINEなど、連絡手段の多様化もあるため、具体的な方法まで記載しておくのがおすすめです。
9.相続税・生前贈与の対策
財産の規模や構成によっては、相続税が発生する可能性があります。
事前に税理士や専門家と相談し、生前贈与や分割方法を検討することで、家族の税負担を軽減できる場合があります。
「亡くなってから考える」では遅く、事前に対策しておくことでトラブルや損失を防ぐことができます。
特に不動産をお持ちの方は分割や評価の問題が起こりやすいため、しっかりと準備しておきましょう。
10.自分のこれからをどう生きたいか考える
「死ぬ前にすること」は、単なる手続きや整理だけではありません。
むしろ、「これからの人生をどう過ごしたいか」「どんな人間関係を築いていきたいか」を改めて考える時間でもあります。
行きたかった場所に行く。会いたい人に会う。感謝を伝える。夢だったことに挑戦する――
それらはすべて、最期に向けた“準備”ではなく、“人生の再スタート”と言えるかもしれません。
「死ぬ前にすること」は、「いまをどう生きるか」を教えてくれる羅針盤なのです。
終活を進める際のポイントと注意点
「やろうとは思っているけれど、なかなか進まない」
終活について、そんな風に感じている方も多いのではないでしょうか。
人生の棚卸しは、気力や体力、そして心の余裕が必要になるものです。
スムーズに、そして後悔のないかたちで進めるためには、いくつかのコツがあります。
ここでは、終活を始める際に押さえておきたい3つのポイントをご紹介します。
体力があるうちに、重たい作業から着手する
終活の中でも、家の片付けや不用品の整理など、体力を使う作業は意外と多くあります。
特に大きな家具や長年手つかずだった収納スペースの整理などは、年齢とともに負担が大きくなります。
そのため、元気なうちに「大変なこと」から優先的に取り組むのがおすすめです。
逆に、遺言やエンディングノートなどの記入作業は、後回しにしても体力的な負担は少ないため、余裕を見て進められます。
一人でやらず、信頼できる家族と共有を
終活は、本人だけで完結するものではありません。
実際に“その時”が訪れた際、準備したことを活用するのは家族や親しい人たちです。
エンディングノートや遺言書などは、信頼できる人と内容を共有しておくと安心です。
また、「まだ元気なうちに、こうしておきたい」と話すことで、家族との関係がより深まるきっかけにもなります。
気持ちや状況に応じて、定期的に見直す
終活で準備した内容は、一度きりで完結するものではありません。
家族構成が変わったり、財産の状況が変わったり、自分の考えが変わることもあるでしょう。
そのため、1年に1回など定期的に内容を見直すことが大切です。
「エンディングノートを書いた日付」「更新した日付」なども記録しておくと、後から見返す際に役立ちます。
【年代別】終活・死ぬ前にやることの始め方ガイド
終活というと、「高齢者が行うもの」というイメージがあるかもしれません。
しかし実際には、人生のステージに応じて“できること”や“やるべきこと”は異なり、早めに始めることで心にも時間にもゆとりが生まれます。
ここでは、30代〜80代までの年代別に「今、どんな準備ができるのか」をわかりやすくご紹介します。
あなた自身の年齢に合わせて、参考にしてみてください。
30代:未来のために“気づく”ことから始める
- 人生や家族について考えるタイミング
- 親世代の介護や相続の話題が少しずつ身近になる
- 自分の資産状況の把握、保険の見直し、ライフプラン設計などが入口
終活というより「人生設計の見直し」と捉えることで、無理なく自然に始められます。
40代:親の終活サポートと、自分の準備のきっかけに
- 親の介護や実家の整理が現実味を帯びる
- 自分の健康や老後の生活を見直すタイミング
- エンディングノートの下書きや、財産目録の整理などを少しずつ始めると◎
自分だけでなく、親の終活サポートを通じて「自分の将来」への意識も高まります。
50代:本格的に終活を意識し始める時期
- 定年退職や子どもの独立が視野に入る
- 財産や持ち物が明確になってきており、整理しやすいタイミング
- エンディングノート・遺言書・医療の希望など、具体的に記録に残す準備が始めどき
「もしもの時」の備えとしてだけでなく、「これからの人生をどう生きるか」に目を向けましょう。
60代:夫婦で話し合いながら計画的に進める
- 退職後の生活に余裕ができ、時間を取りやすい
- 夫婦間で意思確認しておくべきことが増える
- 介護・葬儀・相続・不動産の整理など、実務的な準備に着手しやすい年代
「元気なうちにやっておいてよかった」と後々思えるよう、無理のない計画を立てて進めましょう。
70代・80代:気力・体力のあるうちに優先順位をつけて
- 「これだけは伝えておきたい」という内容を明確に
- 家族と相談しながら、必要なことを厳選して伝える
- 不用品整理や財産分与など、できる範囲で最終整理を行う
すべてを完璧にする必要はありません。
大切なのは、“今の自分にできる範囲で進めること”です。
まとめ|死ぬ前にやることは、人生をより良く生きる準備
「死ぬ前にすること」と聞くと、ネガティブな印象を抱くかもしれません。
しかし、それは“終わり”の準備というより、“これから”をよりよく生きるための手段でもあります。
財産や遺言といった制度的な整理はもちろんのこと、
自分の想いや希望を形にすること、
そして、これからの人生で何を大切に生きたいのかを見つめ直すこと――
それらすべてが、「悔いのない人生」につながっていきます。
まだ元気なうちに、できることから少しずつ。
それが、未来の自分と大切な人への、最良の贈り物になるはずです。
「死ぬ前にすること」は、人生の最期に向けての大切な準備であり、ご自身とご家族の心を整える時間でもあります。
ココロセイリでは、【生前整理】【遺品整理】【不用品の片付け】【空き家の管理】【供養】など、終活に関わる幅広いご相談を承っております。
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「何から始めればいいのかわからない」
「親のこと、自分のことをそろそろ考えたい」
そんな方も、まずはお気軽にご相談ください。
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